虫歯予防について

虫歯予防に重要なポイントは「プラークコントロール（歯ブラシ）」、「食生活の改善」、「フッ素」です。
プラークとは歯の表面についた食べカスなどの汚れが蓄積した物です。プラークを餌にした細菌がその副産物として酸が発生し、それが歯を溶かすことで虫歯（う蝕病変）が作られていきます。
そのため、細菌の栄養源であるプラークの量が少なければ虫歯のリスクは自ずと下がっていきます。毎日の歯ブラシは虫歯予防の最も重要な要素です。

次に重要なのが食生活です。上述した通り、プラークが歯の表面に付着していると細菌が酸を生産し、口の中が酸性の状態になります。
実はこれは、時間経過とともに唾液の作用によって徐々に中和され中性に戻っていきます。これを唾液の緩衝能と言います。
だいたい中性の状態に戻るのに約１時間と言われています。

この間に間食を行ってしまうと口の中が正常に戻る時間を得ることができないため、虫歯がどんどん進行していきます。また、細菌が好む砂糖を多く含む飲料や食事を摂り過ぎていると虫歯リスクが上がります。

最後に重要な要素として挙げられるのがフッ素です。フッ素とは歯に吸収されることで歯を強化し、虫歯になりにくくする物です。
特に歯が生えたばかりで虫歯になりやすい子供と歯肉が下がって虫歯になりやすい歯の根が露出してしまう高齢者では特にフッ素を接種することが重要になってきます。
最近では歯磨きの多くがフッ素配合のものとなっているため、フッ素を含む歯磨き粉で毎日ブラッシングをすることと、歯科医院でフッ素塗布が重要です。

歯周病予防について

歯周病は歯と歯肉の間に堆積した歯垢により歯肉だけでなく、歯を支える骨に炎症が起こり歯を支える骨が失われていく病気です。
歯周病の原因は歯に蓄積した歯垢（プラーク）とそれが固くなった歯石が原因です。歯周病にならない、または悪化させないためには歯の表面や歯の根の表面についた歯垢や歯石を除去していくことが必要です。

そのため歯周病予防で重要になるのはセルフケア（毎日の歯磨き）とプロフェッショナルケア（定期的なクリーニング）です。皆さんはほぼ毎日歯磨きをしていると思いますが、意外と奥歯や歯と歯の間に磨き残しがある場合がほとんどです。
実は歯磨きを完璧に行うのには練習が必要です。それを歯科医院でお手伝いさせてもらうのが歯周病予防において重要になります。自分自身で歯ブラシをマスターできれば歯周病リスクは低く保つことができます。

しかし、どんなに歯ブラシが完璧な方でも僅かに磨き残しはあります。その僅かな磨き残しが長い時間で歯石として蓄積していきます。一度歯石になってしまうと歯ブラシで落とすことができず、さらに歯石表面は汚れが蓄積しやすいため徐々に歯石が大きくなってしまいます。
そのため重要になってくるのが定期的な歯科医院でのクリーニング（プロフェッショナルケア）です。口の中にお困りのことがなくても見えない汚れは少しずつ堆積していますので、3ヶ月から半年に一度歯科医院を受診してクリーニングを行うことが歯周病予防にとっては重要になります。