妊娠中にむし歯になったらどうする?ninshin-mushiba
妊娠中はホルモンバランスの変化や生活習慣の変化により、むし歯や歯周病のリスクが高まる時期です。歯の健康は妊婦さん自身だけでなく、生まれてくる赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。そのため、妊娠中にむし歯が発生した場合、適切な対応を取ることが重要です。このページでは、妊娠中のむし歯治療のポイント、予防法についてご紹介します。
妊娠中にむし歯ができやすい理由
- ホルモンバランスの変化
妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の分泌が増加し、口腔内の環境が変化します。この変化が原因で、歯茎が腫れやすくなり、プラークが溜まりやすくなります。
- つわりによる影響
つわりによって嘔吐や食欲不振が続くと、口腔内が酸性になり、歯のエナメル質が溶けやすくなります。また、歯磨きが十分にできない場合もあります。
- 食生活の変化
妊娠中は甘いものを好むようになる方が多い一方で、歯磨きの頻度が減ることがあります。これにより、むし歯のリスクが高まります。
- 唾液の分泌量の減少
妊娠中は唾液の分泌量が減ることがあります。唾液は口腔内の自浄作用を担っているため、唾液量の減少はむし歯のリスクを高めます。
妊娠中のむし歯治療のポイント
妊娠中でもむし歯の治療は可能ですが、いくつかの注意点があります。特に妊娠の時期によって治療の可否や方法が異なるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 治療に適した時期
- 安定期(妊娠中期:16〜28週)
この時期は、つわりも落ち着き、胎児の発育も安定しているため、歯科治療を受けるのに最も適した時期とされています。
ちなみに、妊娠初期(〜15週)と後期(28週〜出産前)は緊急性の高い治療以外は避けた方が良いとされています。初期は胎児の器官形成が進む重要な時期であり、後期は仰向けでの治療は胎児によって下大静脈が圧迫されて「血圧低下」や「悪心」を引き起こす「仰臥位低血圧症候群(ぎょういがいていけつあつしょうこうぐん)」という状態になることがあるためです。
- 安定期(妊娠中期:16〜28週)
- 麻酔や薬剤の使用
- 歯科治療で使用する局所麻酔薬は、妊娠中でも安全性が確認されているものが多いですが、使用する薬剤については歯科医師に事前に相談しましょう。
- 抗生物質や鎮痛薬についても、胎児への影響を考慮しましょう。
- レントゲン撮影
- 歯科用レントゲンは放射線量が非常に少なく、撮影を行う際は鉛の入った防護エプロンを着用してもらい、撮影部位も腹部から離れているため、胎児に与える影響はほとんどないと言えます。
- 治療を先延ばしにしない
- むし歯を放置すると、歯の痛みや炎症が悪化し、妊娠中の生活に支障をきたす可能性があります。また、重度の感染症は胎児にも影響を与える可能性があるため、早めの治療が重要です。
妊娠中の虫歯予防のポイント
- 口腔ケアを徹底する
- つわりがある場合は、無理をせずに柔らかい歯ブラシを使い、短時間でも良いので歯磨きを行いましょう。
- 酸性の飲食物を摂取した後は、水で口をすすぐだけでも虫歯予防に効果的です。
- 定期的な歯科検診を受ける
- 妊娠中は口腔内のトラブルが増えやすいため、定期的な歯科検診を受けることで早期発見・早期治療が可能です。
- 食生活に気をつける
- 甘いものの摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- キシリトール入りのガムを噛むことで、唾液の分泌を促進し、虫歯予防に役立てることができます。
- フッ素の活用
- フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、むし歯の予防効果が期待できます。
- 歯科医院でのフッ素塗布も検討してみましょう。
妊娠中にむし歯を放置するとどうなる?
妊娠中のむし歯を放置すると、以下のようなリスクが考えられます。
- 歯の痛みが悪化する
痛みが強くなると、睡眠不足や食欲不振を引き起こし、妊娠生活に影響を及ぼします - 歯周病の進行
むし歯が原因で歯周病が進行すると、早産や低体重児出産のリスクが高まるとされています - 全身的な健康への影響
感染症が全身に広がると、母体の健康を損なう可能性があります。
妊娠中はむし歯や歯周病のリスクが高まる時期ですが、適切なケアと治療を受けることで問題を最小限に抑えることができます。むし歯が疑われる場合や予防について気になることがある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。当院では妊婦さんに配慮した安心・安全な治療を提供しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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