歯を失ってしまったら、入れ歯？それともインプラントが良いのでしょうか？

歯を失ってしまった場合それを補う手段はブリッジ、義歯、インプラントの３つの選択肢があります。特に多くの歯を失ってしまった場合は、ブリッジを適応することができないことが多いので、義歯かインプラントの二択になります。インプラントは外科手術を行い人工の歯根を埋め込むため、全身的な病気を持っている方の場合や体力が落ちている方は、インプラント治療を行えないか、成功率が下がる傾向にあります。また、顎の骨が吸収されてインプラントを埋めるだけの骨が残っていない場合もあります。特にご高齢の方は何らかの原因でインプラントを行えない場合が多いので義歯を選択する場合が多いです。
入れ歯のデメリットとしてよくあげられるのは、異物感と慣れるまで噛むのが難しいことです。その二点に関してはどうしてもインプラントやブリッジには敵いません。しかし、利点は安全性と手軽さです。義歯治療は歯型をとって完成した義歯を装着するだけですので、患者さんの全身の健康状態や体力に関係なく安全に治療を行えます。また、保険が適応されるので予算的にも負担が小さいのが特徴です。
初めに挙げたデメリットも保険外にはなりますがインプラントを併用したり、金属を用いることで、より噛める義歯や違和感が少ない義歯を選ぶこともできます。

当院が大切にしていること

インプラント、義歯のどちらが良いかは患者さんによって異なります。義歯やインプラントは患者さんの歯を失ったことが原因で咬めない（咀嚼障害）こと、見た目が悪い状態（審美障害）を回復することが目的になります。そのため、年齢、全身状態、患者さんの希望、社会的要素など様々な要因で目指すべきゴールと治療方法は異なります。
当院は専門医として患者さん一人一人のご希望を伺った上で、口の中の状態を診断し、最適な治療法を選んでいただけるように丁寧な説明を心がけております。事前にしっかりとお話しさせていただくことが最終的に治療に満足をいただけるために最も重要と考えていますので、何でも相談いただけると幸いです。

当院では顎義歯も可能です

顎義歯とは癌で顎の一部を切除してしまった方の義歯です。当院では群馬大学、伊勢崎市民病院などの医療機関から紹介いただいて癌の手術後の患者さんの治療にあたっています。顎義歯は通常の義歯より条件が悪いため対応できる医院が限られておりますので、お悩みの方はご相談ください。

当院で扱っている入れ歯の種類

保険義歯（レジン床）

保険適応の義歯です。多くの部分がレジン（樹脂）でできています。強度が金属に比べると低いため、入れ歯に厚みが必要でその分異物感があります。製作が容易で修理もしやすいため、抜歯当日に義歯を装着しなければいけない場合などは最適な義歯です。

金属床義歯

義歯の大部分を金属で製作します。強度があり、樹脂に比べて入れ歯を薄くすることが可能です。また、咬むときにたわみにくいため、咬む力を発揮しやすい特徴があります。また、金属は熱を伝えやすいので通常の義歯よりも味覚を感じやすいと言われています。しかし、高額であることと、修理がしにくいため、土台となっている歯の状態が悪い場合は当院ではお勧めしておりません。

ノンメタルクラスプ義歯

義歯の歯につかまる部分（クラスプ）を歯肉に似せた樹脂で製作するタイプの義歯です。他は金属床と同様の特徴になります。クラスプの見た目が気になる場合にお勧めをしています。

インプラント義歯（I OD、I A R P D）

義歯の下にインプラントを埋めることでインプラントを支えにする義歯です。インプラントを奥歯に入れることができれば咬む力をより発揮しやすくなります。顎が痩せている総入れ歯の方は前歯の部分にインプラントを入れて、外れにくい義歯にすることができます。